ちょっと怖い話

ある中学校に、新任の女性教師が来ました。

人となりの良さそうな、普通の先生でした。

 

ただ、担当のクラスのか生徒たちは普通とは言えない生徒ばかりでした。

学校側は伏せていましたが、このクラスの担任はもう四人目になるのです。

それというのも、生徒たちが問題ばかり起こすので、先生に責任が押し付けられたり、先生をいじめたりするので、先生がいなくなってしまうのです。

 

もちろん、この女性教師も例外ではありませんでした。

授業中に物を投げつけられたり、水を掛けられたり、私物を盗まれたり…嫌がらせばかりをうけ続けていました。

先生達も、気の毒そうに見ているだけで、先生を助けてはくれませんでした。

 

先生は、心が壊れてしまいそうでした。

先生は、どうすればいいのかと、悩みました。

 

そこで、ふっと、いい考えが浮かんだのです。

 

「そうだ…変えてしまえばいいんだ…。」

 

次の日。

先生のクラスの男子が亡くなりました。どうやら何者かに殺されてしまったようです。

このクラス「では」人気者の、それでいて先生をいじめた一人でした。

クラスメートは泣いて悲しみました。

先生も悲しそうに泣いていました。

 

そこへ、クラスに見慣れない男子生徒が入って来ました。

 

「皆さん、今日からこのクラスに転校してきました。よろしくお願いします。」

と、頭を下げます。

クラスメートはざわつきました。

ですが、先生はその生徒を促して、空いている席へ座らせました。

先生は、もう泣いていませんでした。

 

次の日。

先生のクラスの女子が亡くなりました。

帰り道に、暴漢に襲われたそうです。

クラスメートは泣いて悲しみました。

先生も泣いて悲しみました。

 

そこへ、クラスに見慣れない女子生徒が入って来ました。

 

「皆さん、今日からこのクラスに転校してきました。よろしくお願いします。」

 

クラスメートはざわつきました。

先生はその生徒を促して、空いている席へ座らせました。

 

先生は、もう泣いていませんでした。

 

生徒たちは訝しみました。

なんで2人が死んでしまってから、急に2人も転校生が現れたのか、と。

そして、この転校生2人もおかしいのです。

2人共、こちらが話しかけても上の空で、先生の授業の時ばかり元気になるのです。

クラスメート達は、なるべく関わらないようにしました。

 

次の日。

先生のクラスの男子が亡くなりました。

階段から足を踏み外し、頭を強く打ちつけたらしのです。

クラスメート達は確かに悲しみましたが、流石におかしいと思いました。

先生は泣いて悲しみました。

 

そこへ、見慣れない男子が入って来ました。

 

「皆サン、テンコウして、キマシタ。ヨロシク。」

 

外国人の学生でした。

クラスメートは一層ざわつきましたが、先生は席へ促しました。

 

次の日。女子が亡くなりました。

クラスメート達はざわめきました。

先生は悲しみました。

 

「みなさん、よろしく。」

 

次の日。男子が亡くなりました。

クラスメート達は怖がりました。

先生は悲しみました。

 

「みなさん、よろしく。」

 

次の日。2人亡くなりました。

先生は悲しみました。

2人増えました。

 

次の日。3人死にました。

3人増えました。

 

次の日。4人いなくなりました。

4人増えました。

 

次の日。5人消えました。

5人増えました。

 

 

次の日。6人変えました。

代わりました。

 

 

 

さあ、最後に残ったのは2人です。

先生と、イジメを計画した1人です。

先生は笑顔で言いました。

 

「…………世の中には先生の代わりは沢山いるの。でも、貴方達の代わりも沢山いるの。だから、私にとって大事な生徒だけがいれば、それでいいの。大丈夫。あなたがここからいなくなっても、別の人がいるからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、先生の授業はおもしろい?」

 

「「「はい!先生の、授業は、オモシロイ、です!」」」

 

                             お わ り。